マンション 高値 売却

元不動産営業が自分のマンションを購入時より高く売った方法

これは、かつて不動産売買の営業マンを3年間していた私が、自分で所有した中古の分譲マンションを、少しでも高く売ろうと奮闘した記録である。

 

結論から先に申し上げると、今回売ったマンションは、私が中古で購入した金額よりも高く売ることができた。

 

このマンションは、転職前の不動産営業時代に購入したもので、他社(他の宅建業者)から売り出されたときに、相場よりも安く売りだされ、かつ気に入っていたマンションだったので、すぐに購入申込書を書いた。価格交渉はしなかった、そのとき十分安いと思えたからだった。

 

ちなみに、売買仲介時代の私の営業成績は、中の中、とても平均的な営業マンだった。いや、我が身のかわいさ故、きっと都合よく解釈しているだろう、上司からみれば私は底辺の営業成績で、典型的な「売れない営業」だったかもしれない。

 

 

私の師匠!ネットで見つけた売れる不動産営業

売れない不動産営業であった私が、自分の分譲マンションを売るときだけは、本気モードだった。頼ろうとしていた抜群に「売れる営業」であった同僚は、すでに独立開業してしまったらしく、連絡を取ることができない。

 

他に残っていた上司・同僚は、そろって営業成績の悪かった「売れない営業」であったため相談する気にもならなかった。

 

私は、ネットで家を高く売る方法を調べ、当時の営業経験を反芻しながら、マンションを高値で売却するテクニックを駆使して売ることに成功した。私は運良く師匠を見つけた。師匠には、お会いしたことも、コメントさえしたことはない、まして女性の不動産営業だが師匠には違いないのだ。

 

私が参考にしたサイトは、「不動産売却のコツ/不動産を早く・高く、売る方法」である。「売れる不動産営業」がガチで不動産を売るためのノウハウを出し切っているサイトである。きっと、あなたがマンションを高く売るためにも参考になるだろうと思い紹介する。

1.売り出すマンションの掃除

マンションの売却で大事なことは掃除だ。
売却は掃除に始まり掃除に終わる。

 

しかし営業時代の私は、こんな基本的なことも疎かにしていた。

 

いや、掃除の重要性には気づいていたものの、売主さんに徹底的な掃除を要求する度胸がなかった。いつも売主さんの顔色をうかがい、「きれいに片付いてますね〜」と調子を合わせていた。

 

売却するマンションが唯一の商品だ!
商品をホコリまみれで陳列する商売人はいない!

 

売主は、商売人であるべきだ。不動産営業に調子のいいことを言われても、決して自分自身がお客様であると思ってはいけない。

 

とにかく、掃除・・・掃除・・・掃除・・・・・・、
マンションの売却はそれからだった。

2.売り出す不動産会社を決める

マンションの売却で掃除の次に大事なことは、間違いなく不動産会社選びだ。

 

いや、売り出す不動産会社を決めるだけではない。
売却の担当営業をしっかり選ばなくてはいけない。

 

自分自身が、売れない不動産営業であったから、私にはよく分かる。
不動産の営業には才能が必要だ。

 

売れる営業と、売れない営業の間には、歴然とした差があることを知っていた私は幸運だったといえるだろう。

 

 

多くの不動産営業の話を聞く

不動産売却の師匠によれば、担当営業は一括査定を利用して、多くの不動産営業と話をすることから始まる。

 

2人の不動産営業に会っただけで、どちらかに決めてしまってもいいのだろうか?
答えは否だ! 二人とも売れない営業である確率は、ものすごく高い。

 

 

ダントツの営業成績を誇るトップ営業は、営業所に一人の割合でしか存在しない。

 

ひとつの営業所あたり、営業の在籍人数は、平均5〜7人である。ということは最低5人、できれば7人の営業に会ってマンションを売り出してもらう担当営業を選びたいところだ。

 

一括査定のシステムでは、合計で6社の不動産会社に査定を依頼できる。また、話を聞く不動産会社は選ぶことができるので、私が以前勤めていた会社を外すことができた。

3.マンションの売り出し価格を決める

マンション売却の担当を決めると、売り出し価格を決定し、不動産会社と媒介契約を締結する。

 

私の信念として、不動産会社との媒介契約は専任媒介の一択だ。

 

売主が一社の専任に縛られる代わりに、不動産会社はポスティングチラシやポータルサイト掲載といった広告費を安心してかけられる。

 

信頼関係では心もとない。
ギブ・アンド・テイクの関係である専任媒介が最も合理的だというのが私の持論だ。

 

 

マンションの売り出し価格については、直近3年間の同マンションの成約事例を参考にした。この成約データは、一括査定サービスを利用すると、各不動産会社が持参してくれる。

 

今回売却したマンションの形状は、全戸が南向きになっているレジデンスタイプ(通称、羊羹型)と呼ばれるマンションではなく。エレベーターを中心として全方位に部屋をしつらえたタワー型マンションである。

 

レジデンスタイプの分譲マンションの場合、部屋の専有面積と階数が販売価格を決める要素になる。しかし、タワーマンションの場合には、主採光側(バルコニー位置)の方位によって販売価格の設定を細かく分けなくてはいけない。

 

北向きの部屋なのに、南向きと同じ坪単価で売り出してしまっては、いつまで待っても売れないだろう。それどころか、南向きで売り出している部屋の格好の当物(アテブツ)にされかねない。

 

今回私が選んだ不動産営業は、マンションの方位別にセグメンテーション(細分化)した成約データを示してくれたので、それを参考にした。この成約データを見た時点で、私の売却するマンションは購入時よりも高く売れることを確信できた。

 

一応、売り出し価格は購入申込時の価格交渉を見込んで80万円上乗せしておいた。

4.室内写真を撮影依頼

マンションの売却を担当してもらった営業さんに一つだけ不満があるとすれば、物件写真へのコダワリがないことだった。

 

彼は、専任媒介を結ぶときにマンションに来てもらうと、「ついでに、ネットに掲載する物件写真を撮らせていただきます」と言い、コンデジを取り出すとパシャパシャ撮影して帰っていった。

 

掲載された我が家のページと写真を閲覧すると・・・、
普通なんですよね・・・。
とにかく普通で、それ以外の感想がまったくない・・・。

 

これは、マズイと焦った私は、知人のカメラオタクに室内写真の撮影を依頼した。
それなりの居酒屋での夕食を振る舞った末に得られた写真は、担当営業が撮影した室内写真とは桁違いだった。

 

 

営業の彼を弁護すると、ガッツリ信頼関係ができていない相手にお願いできるレベルが様々あるということ。
プライベート空間を切り取る「物件写真の撮影」は、相手にとって相当な抵抗があると想像してしまうのだ。

 

 

知人に撮影してもらった室内写真は、適度にリサイズしてデータで担当営業に渡した。

 

ネットの掲載写真を差し替えて公開すると、見栄えが良くなったのは明らかだった。また、物件一覧で表示されるキャッチ画像をマンションの外観写真から室内写真に切り替えたところ、物件の閲覧数が3倍に増えたという。

 

いまや不動産売却はネット上が主戦場だ。

 

購入希望者でネットの物件情報・室内写真を事前にチェックしない買主はいない。ネットで好印象を得られない物件は案内が入らないのが現状だという。

 

 

5.売り出したら必ずチェックするレインズ

分譲マンションを売り出した売主は、必ずレインズ(REINS:不動産流通標準情報システム)のチェックをして欲しい。

 

私が現役の不動産営業であった頃ならば、考えられなかったことが起こっている。いまや売主に限りレインズの登録の有無を確認できるようになっているのだ。

 

レインズ閲覧の手順

  1. 媒介を締結した不動産屋から「登録証明書」を受け取る
  2. http://www.reins.or.jp/にアクセスする
  3. 画面左上の「売却依頼主向け」からログイン
  4. 「登録証明書」記載の、確認用ID・パスワードを入力
  5. 売却依頼物件を閲覧

 

レインズ閲覧の注意点

  • 売主自身の売却物件しか閲覧できない
  • 専任媒介・専属専任媒介しか閲覧できない
  • 23時〜7時の時間はレインズのシステムが休止
  • 販売図面は確認できない
  • 2016年1月以降に登録した物件しか閲覧できない

 

レインズ売り出した不動産の検索可能に!/不動産を早く・高く売却するコツより

 

昔の不動産売買仲介の現場では、「囲い込み」と言って、自社の媒介物件を他社に紹介させない行為がごく当たり前に行われていた。

 

不動産仲介はお客様から、3%+6万円の報酬(仲介手数料)が見込める。

 

一つの物件の仲介(不動産売買契約)で売主・買主のどちらか一方から仲介手数料をいただくのが片手取り引き。売主・買主の両方から仲介手数料をいただくことを両手取り引きと呼んでいる。

 

一度の売買契約で得る報酬が、簡単に2倍になるのだから、不動産会社にとって片手取り引きより両手取り引きの方が2倍稼げることになる。

 

当然、合理的な営業手法に走る不動産会社が多く、他社には紹介させない「隠し玉物件」「物件隠し」が日常的に行われていた。

 

 

しかし、売主の立場であれば、支払う仲介手数料は変わらないわけであるから、なるべく多くの不動産会社に自分の売り出した物件を紹介してもらったほうが効率よく・早く売却することができる。

 

つまり、両手取り引きや囲い込みは、不動産会社の利益を追求した手法であって、売主には一つもメリットがないことが分かる。

 

この不条理を是正するため、2016年1月からレインズの閲覧が売主に限り解放されたらしい。国土交通省もついに重い腰を上げたということか・・・。

 

レインズの閲覧解放は、不動産会社の売却物件の登録をチェックすることができる。売り出した物件がしっかり登録されているか定期的にチェックするべきである。

6.内見のお客様への対応方法

買主の案内(内見・内覧)は部屋の印象を決定付ける最重要項目だ。

 

案内前の売主の準備については、担当営業にあらためてレクチャーをしてもらった。

 

  • 室内の不要物を徹底的に減らす
  • 掃除を完璧にする
  • 玄関の照明を照度の高いものに切り替える
  • 案内15分前には窓を開けて換気をする
  • 案内直前には全室の照明をONにする
  • 穏やかなBGMを小さな音で流す

 

不動産営業時代の私は分かったつもりでいて、なにもしていなかったに等しい。これでは売れなくて当然だった。

 

そのころの私は、ただあるがままの状態を買主に見せて気に入られなかったときには「お客様の買う気がないのだ」と簡単に諦めていた。

 

売れる部屋は作ることができ、部屋が変われば案内が変わる。

 

案内がよければお客様は自然に買う気になるものだった。

7.購入申し込みへの対応

これはうれしい誤算であったが、一組目の案内のお客様から「購入申し込み」をもらうことができた。

 

後で聞けば、同じマンションで違う階の部屋をタッチの差で買いそびれた経験のある買主だった。前回は購入意思があったものの踏ん切りがつかないまま迷っていたところを、別の購入客に買われてしまったものらしい。

 

うれしい誤算はそれだけではなかった。

 

私は申し込み時点で、買主から価格交渉が入るものと見込んで80万円高めに売り出していたが、買主はその価格(満額)で購入してくれるという。

 

高すぎない絶妙な販売価格の設定は、買主の決定を早めると考えていたが、ここまで上手くはまってくれると、「あと100万円」高くても買ってくれたのではないかと欲が出てしまう。

8.売買契約〜残金決済・物件引き渡し

不動産売買契約から、残金の決済・マンションの引渡しまでは順調で、なんの不安もなかった。

 

買主の住宅ローン審査は、契約時に伺った先方の勤務先と勤続年数が長かったために、通らないわけがないことが経験からしることができた。

 

私の不動産営業の経験は、売れるまでは全く役に立たなかったが、売買契約・決済で準備する書類など、実務の段階になって初めて役に立ったといえる。

 

 

あらためて思い知るのは、不動産営業のスキルは売るまでが勝負で実務に大差はない。

 

いかに買主を買う気にさせるのかが不動産営業の最も大事な能力だと痛感した。

 

 

マンションは安ければ誰でも売れる。
しかし、早く売却したい、高く売りたいと願うのであれば、売主に相応の努力が必要になる。

 

  • 売り出す物件の掃除
  • 不動産営業の選定
  • 室内写真のクオリティ
  • 高すぎない売り出し価格の設定
  • 買う気にさせる部屋の雰囲気作り

 

 

これらのうち、どれか一つが欠けていたら、実質わずか一ヶ月という短期間に、購入した価格よりも高くマンションを売却することはできなかっただろう。

 

私の経験を誰かの役に立てて欲しい。もし、あなたのマンションが売れなくて困っているのなら、面倒がらずに最初のステップからやり直すことをお勧めする。